「モノ」を探究し
「触れる絵画」は生まれました


通常、絵画は手で触るものではありません。
壁にかかっている絵画を
触らずにみるのが一般的です。

ただ、絵描きとして活動していく中で
『もっと踏み込んだ絵画鑑賞を
楽しんでほしい』
という想いが芽生えました。

傷がつかないよう、汚れないよう
慎重に扱う事はもちろん大切ですが
それ以上に
『その絵画と、どんな時間を過ごしたか』
の方が日常生活、もっと言えば人生において
大事なのではないかと思ったのです。

「触れる絵画」は、絵の表面も触れます。

「壁の色彩」としての役割だけでなく、
人生という物語を内包する
「モノ」としての可能性を
私は絵画に感じます。

ヴィンテージなどの「古いモノ」のもつ
小さな傷や時間経過による独特な風合いは
現代の私たちの手に到るまでの
物語が感じられ
愛おしくなることがあります。

いつか傷がついたり、汚れたり、
色褪せたとしても、それが味として
『古道具のように愛される絵画をつくりたい』
そんな想いで制作しています。

どうかこの「触れる絵画」たちを
あなたの手で、目で、心で、
自由に楽しんでいただけたら嬉しいです。

当たる光や角度によって、色々な表情が現れます。

触れる絵画オンラインショップはこちら

ふらっと立ち読みで
知らない本と出会うように


立ち寄った本屋で
数行読んだ本に引き込まれたり、
表題や本のデザインに惹かれて眺めていたら、
自分の本のように手に馴染んでしまったり。

「本屋での立ち読み」
シーンだけを切り取っても、
さまざまな本との出会いがあると思います。

『そんな出会いを絵画でもできないか?』
という想いから
新たな展示方法が生まれました。

「触れる絵画」を本棚の本のように立てかけ、
その中から気になったものを
手に取って見ていただく展示方法です。

気になる絵画をセレクトし、壁に掛けることも出来ます。
絵の表面はよく見えないまま立てかけ、
絵の側面は本の背表紙を思わせるつくりになっています。

私の思う絵画と本の似ている所は、
「自分と出会っていく」という側面です。

作品の中に隠れている
自分自身との共鳴点や相違点、
色々な感情や考えを見つける中で、
自分がなにを大切にしているのか
見えてくることがあります。

感じる内容は人によって違い、
言語化しにくいものだと思いますが
「何かを感じ取っている」
という事実がとても面白く、尊く思います。

一風変わった「触れる絵画」の展示方法も、
是非楽しんでいただけたら幸いです。

アトリエ、展示会場にてお待ちしています。